2013年08月18日

高井忍『本能寺遊戯』

〈2013年読書感想9冊目〉

 女子高生三人組の歴史談義形式で描かれる歴史ミステリィ短篇集。題材は本能寺の変,ヤマトタケル,春日局,弓削道鏡など4篇に結末篇の計5篇が収められています。基本的にはそれ程目新しさは感じなかったのですけれど,主人公の三人組の魅力も相まって楽しく読むことが出来ました。この種の作品らしく二転三転する歴史談義も実に面白い。想像力を存分に刺激されます。優等生の姫之,所謂歴女の亜沙日,海外からの交換留学生ナスチャと歴史談義に加わる女子高生たちがそれぞれの立ち位置から違った角度で歴史の真相を目指すというのが面白いです。個人的には姫之が一番好みなのですが,結果的には一番気の毒な立場だったというのが残念。正統な歴史の徒はこの種の作品ではどうしても不遇を託ってしまうのは仕方がないのかな。物語としては表題作の「本能寺遊戯」が一番面白かった。結尾を彩る「『編集部日誌』より」の意外な展開も悪くないのだけど,奇をてらい過ぎているように思うのは自分が姫之贔屓だからかもしれません。何はともあれ,日本史好きにはたまらない歴史ミステリィと言えるでしょう。連作短篇集の為に気軽に読めるのも嬉しいところです。この三人組を主人公に据えた続篇も書いて欲しい。その時は是非とも姫之にいい目を見せて欲しいものであります。
タグ:高井忍
posted by 森山 樹 at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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