2013年11月17日

加藤実秋『チョコレートビースト』

〈2013年読書感想25冊目〉
加藤実秋『チョコレートビースト』


 復刊に伴い再読中の〈インディゴの夜〉シリーズの第2作目です。今作あたりから〈インディゴの夜〉シリーズの定番登場人物が固まってきた印象があります。晶と塩谷さん,憂夜さんを筆頭に犬マンやアレックス,ジョン太,DJ本気といったClub indigoの面々の掛け合いが素直に楽しい。夜の街を駆けるのにホストという肩書は最適なのでありましょう。表社会と裏社会の狭間に位置する若者たちの疾走が素直に羨ましく思えます。今巻でもClub indigoが巻き込まれる事件は多彩なもの。何処か人情的な雰囲気が漂うのは主人公である晶の気質によるところが大きいのでしょう。彼女の1980〜90年代趣味は今回も炸裂。それがまた心地良いのです。収録されている4篇はどれも同程度に好み。歌舞伎町No.1ホストである空也が依頼主という事件も混ざっており,飽きさせません。この晶と空也の微妙な関係が結構好みなのですよね。そんな空也からも尊敬される憂夜さんの謎めいた素性は深まるばかりですけれども。なぎさママの愛犬四十三万円ことまりんが誘拐される表題作「チョコレートビースト」が一番楽しいかなあ。塩谷さんが意外な格好良さを見せる「マイノリティ/マジョリティ」も好きなのだけれども。今作も前作『インディゴの夜』に大幅な加筆がされているとのこと。但し,雰囲気は全く変わっておりません。そのあたりは嬉しい。また,引き続き書き下ろしの「レッドレターデイ」も収録されています。此方はまとめて読みたかったなあ。新たな表紙も作品の雰囲気を上手く醸し出していると思います。このまま順調に復刊し,新作の刊行へと至って欲しいものであります。
タグ:加藤実秋
posted by 森山 樹 at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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