2014年01月18日

吉田篤弘『つむじ風食堂と僕』

〈2013年読書感想30冊目〉
吉田篤弘『つむじ風食堂と僕』


 〈月舟町〉三部作の番外篇。『それからはスープのことばかり考えて暮らした』のリツ君が『つむじ風食堂の夜』の舞台であるつむじ風食堂で出逢った人々との物語が描かれます。題材としては“仕事”ということになるのかな。大人びた視点の持ち主であるリツ君が“仕事”に対する大人たちの考え方に想いを巡らす姿が実に良い。如何にも〈月舟町〉三部作らしい何処か魔法をかけられたような雰囲気は健在であります。リツ君たちと一緒につむじ風食堂で歓談をしたい気分になります。何よりも第二章「宇宙人」でリツ君に代わる代わる自分の仕事の面白さややりがいを説明する大人たちの姿が実によいのですよね。中には勿論やりたくない仕事をしている人も混ざっていますが,それもまたひとつの意見でありましょう。リツ君の目を通すと仕事をするということが奇跡的に素晴らしいことに思えてくるのが不思議であります。これもまた〈月舟町〉の魔法と言うべきなのかもしれません。第三章「百円玉」ではリツ君と父,オーリィさん,マダムとの会話が実に楽しい。リツ君の哲学的な思考は物事の核心を突いているような気がするのが素晴らしい。いずれにせよ,如何にも〈月舟町〉らしい作品でありました。早く三部作の第三作目も読みたいものであります。
タグ:吉田篤弘
posted by 森山 樹 at 20:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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