2014年05月10日

水野良『ロードス島戦記(3)火竜山の魔竜(上)』

〈2013年読書感想44冊目〉
水野良『ロードス島戦記(3)火竜山の魔竜(上)』

 新装版に伴い再読の〈ロードス島戦記〉の第3巻。魔竜シューティングスターとの戦いが描かれる作品です。パーンとカシュー王の宿敵として黒衣の将軍アシュラムが本格的に物語に姿を見せる点においても大きな意味を持ちます。新たにパーンの仲間としてオルソン,シーリスが登場。女傭兵シーリスは後にロードス島における重要な位置を占めることになります。このあたりは前巻から登場のフォース同様にこの時点では全く予想が出来ませんでした。アシュラムに従うホッブ司祭やグローダーらの運命の変転も興味深い。特にグローダーは〈ロードス島戦記〉を通じても大好きな人物のひとりであります。アシュラムとカシューが争奪することになる支配の王錫を守護する魔竜シューティングスターはドラゴンが最強の生物であることを証明するが如くの貫録を見せつけてくれます。相変わらず,展開は早め。今にして思えば,もう少し個々の人物描写を深めても良かったのになあとは思います。特にアシュラム配下のグローダーはともかくとしてアスタールやガーベラ,スメディ,ギルラムといったあたりはもう少し個性が欲しかったところです。登場人物が多い割には焦点があてられる人物が少ない印象なのですよね。尤も,それがゆえにパーンやディードリット,スレイン,レイリアたちの個性は際立っているのですけれども。因みに今巻で一番好きな場面は冒頭でのニースとアシュラムとの対面。改めて読むと既にアシュラムが邪悪な存在ではないということが強調されていたのだなと感じます。或る意味では彼の今後を示唆するかのようでもありました。上巻ということで中途半端なところで終わっているのは仕方がないところ。カシューとパーンがアシュラムや魔竜シューティングスターと実際に剣を交える下巻への大きな期待感を持たせる巻ではありました。
posted by 森山 樹 at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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